世界大百科事典(旧版)内の長忌寸意吉麿の言及
【酢】より
…
[食用]
日本では,近世になってしょうゆが普及するまで塩と酒は別として,古代では醬,中世ではみそと並んで,酢は最も重要な調味料であった。酢を使った料理の具体的な記載としては《万葉集》巻十六の〈醬酢(ひしおす)に蒜(ひる)搗(つ)き合(か)てて鯛願ふわれにな見せそ水葱(なぎ)の羹(あつもの)〉という長忌寸意吉麿(ながのいみきおきまろ)の歌をもって嚆矢(こうし)とするが,中世後期になるとワサビ酢,ミョウガ酢,タデ酢,カラシ酢などにして盛んになますや刺身に用い,〈酢入り〉〈酢あえ〉などの料理も行われた。また,古くから〈四種(しす)〉と呼んで,塩,醬,酒とともに小さな器に盛り,卓上調味料として食膳に置く風もあった。…
※「長忌寸意吉麿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」