世界大百科事典(旧版)内の関係主義的存在観の言及
【相対性理論】より
…この際,実体主義というのは世界が〈実体〉(ens per sui,つまり,対他的関係とは無関係に独立自存するもの)からなっているとみる存在了解の謂(いい)であるが,相対性理論は古典物理学的世界像において,〈対他的関係とは無関係に独立自存する究極的存在〉とみなされていた〈絶対時間〉〈絶対空間〉〈質量〉といったものの実体的自存性を否認し,これら物理の基本的存在ですら相互浸透的,相互規定的な関係的存在態であることを明らかにした(時間と空間との相互浸透的規定関係,一般相対論における時空間と質量との相互規定的関係などを想起されたい)。このことが,量子力学の知見とあいまつことによって,物理的実体主義からの解放,関係主義的存在観の確立を促すものとなった。 次に,認識論に即していえば,相対性理論は〈間主観的構成主義intersubjektiver Konstruktionismus〉の認識観を促すゆえんとなった。…
※「関係主義的存在観」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」