防潮ぜき(読み)ぼうちょうぜき

世界大百科事典(旧版)内の防潮ぜきの言及

【河口ぜき(河口堰)】より

…河川の河口付近に造られるせき(堰)で,渇水時期に塩水が遡上するのを防止するとともに,新たに水資源を開発することに主目的がある。塩水の遡上のみを防止する潮止めぜきや,高潮を防ぐことを主眼とする防潮ぜきとは異なるが,河口ぜきに高潮防御の目的をもたせることもある。河口ぜきで新たに水資源を開発し得る理由は,塩害防止などのために確保されている維持用水を新規利水に転換できることにあり,例えば,利根川河口ぜき(1971完成)の場合では,塩害防止や河口維持などのために必要とされていた利根川下流の維持用水50m3/sのうち20m3/sが,東京都,埼玉県,千葉県の水道用水,工業用水に転用された。…

【せき(堰)】より

…しかし,高さが15m以上のものや,土砂を堆積させる目的のもの(砂防ダム)はダムと称し,それ以外のものを一般にせきと呼んでいる。せきの目的には,用水の取水,舟運のための水位・水深の確保,河川の分派点における流量調節,河口部における塩水遡上(そじよう)の防止・高潮防御などがあり,その目的に応じて取水ぜき,分水ぜき,潮止めぜき,防潮ぜきなどに区分される。しかし,二つ以上の目的を兼用するせきも多い。…

※「防潮ぜき」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」