世界大百科事典(旧版)内の限界費用価格形成原理の言及
【運賃】より
…すなわち,社会全体の経済的厚生を考えるとき,鉄道のような費用逓減産業においても,運賃を輸送サービスについて求められる限界費用(直接費の追加分)に均等ならしめ,その際に発生する赤字は国庫助成により補てんされるべきであると主張した。この見解はその後,限界費用価格形成原理marginal cost pricing principleに基づく運賃決定として知られているが,この新たな運賃決定は,現状のきわめて不完全な経済情況の下では厳密に適用することができないとの見方が有力である。しかし外国の諸都市で最近採用され始めているピーク・ロードpeak‐load運賃制あるいは特定時間帯における混雑税congestion taxの徴収などは,おおまかにみれば,限界費用価格形成原理に準じた方向での新たな試みといえるであろう。…
※「限界費用価格形成原理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」