世界大百科事典(旧版)内の除蝗の言及
【鯨油】より
…【内田 安三】
[日本での利用史]
鯨油が盛んに利用されるようになったのは捕鯨業が発達した江戸時代,とくに後期以降である。最初はおもに灯用に供されたが,1732年(享保17)の大飢饉後,稲の害虫駆除に利用されはじめ,文化・文政ころには九州,四国,中国地方にまで広く除蝗(じよこう)のために使われるようになった。幕末の農学者大蔵永常の著《除蝗録》(1826)には,一般に油での害虫駆除は元禄・享保ころまでは知られていなかったが,筑前国で菅公の廟の灯明の油に虫が飛びこんで死ぬのを見て思いつき,水田に鯨油を注いでその上へ虫を落として駆除したとある。…
※「除蝗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」