世界大百科事典(旧版)内の陪審人の言及
【裁判】より
…共和政中期以降,当初は臨時的にのちに前2世紀半ばに初めて属州不当搾取罪について常設的な査問所が設置され,以降,G.グラックス,スラ,アウグストゥスにより査問所手続が展開整備され,国家の存続に向けられた犯罪のみならず重大な個人的法益の侵犯に対しても刑事裁判として査問所で審理されることとなった。常設査問所は,それぞれの犯罪類型ごとに個別の法律により設けられ,そこでは,任意の市民がみずから被疑者を裁判担当政務官のもとに呼び出して告発し,被疑事実が争われる場合に,審判人名簿からくじと両当事者の忌避の結果選ばれた最高75名で構成される陪審人団の前で,政務官が主宰して,当事者に大幅にその進行をゆだね,また,被告人に十二分の弁護の機会を与えつつ証拠調べおよび弁論が行われた。有罪評決は陪審人団の過半数の投票を要し,その結果を政務官が告知する。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」