世界大百科事典(旧版)内の陶通明の言及
【陶弘景】より
…中国,上清派道教の大成者,本草学者。字は通明。南斉の下級貴族の家に生まれ,〈一事知らざればもって深恥となす〉という態度で古典や医薬学を初めとする諸科学を修め,博学をもってうたわれた。29歳での大病を機に道教信仰を深め,孫遊岳に師事して上清派道教経典の正統的継承者となった。492年(永明10),37歳のとき官途を捨てて江蘇省句容県の句曲山(茅山)に隠居し,華陽隠居と号して上清派教団の確立に努めた。以後500年(永元2)までの間に,各地の名山を歴訪して上清経典の真本を捜集し《真誥(しんこう)》《登真隠訣》両教理書を編纂する一方,《本草経集注》を初めとする医薬学書を次々と完成させて,科学的理論に裏づけられた新たな道教教理の完成を目指した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」