隠居複世帯制(読み)いんきょふくせたいせい

世界大百科事典(旧版)内の隠居複世帯制の言及

【隠居】より

【仲村 研】
[民間の隠居慣行]
 明治民法においては生前に戸主権を家督相続人のために放棄する行為を隠居とし,普通には戸主が満60歳以上であること(ただし女戸主の場合は何歳でもよい),および家督相続人をあらかじめ承認しておくことが規定されていたが,日本の各地で行われてきた隠居慣行はひとつの家族がその内部でいくつかの相対的に独立した生活単位(世帯)に分かれて生活する制度をいう。隠居はしたがってひとつの家族が複数の世帯に分かれるので隠居複世帯制ともいい,こうした隠居複世帯制を採用している家族を隠居制家族とよぶ。隠居制家族は家族内部の生活単位をとくに分離しない単世帯制家族とともに日本の家族のひとつの典型をなしていた。…

※「隠居複世帯制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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