世界大百科事典(旧版)内の隠生累代の言及
【古生代】より
… 古生代の特色は,地質時代において最初に硬組織hard tissue,すなわちキチン質や石灰質の骨格構造(主として殻)をもつ顕微鏡サイズより大型の生物が出現したことである。それ以前の先カンブリア時代のうち生命が発現してからの約30億年間は,微細な無殻の原始生物ばかりであったため隠生累代と呼ばれる。ただし,その最後の1億年くらいの間には無殻ではあるが,大型の無脊椎動物が急激に発達するので(オーストラリアのエディアカラ動物群,アフリカのナマ動物群が代表的),これを始カンブリア紀Eocambrian periodとして独立させ顕生累代の最初の紀,つまり古生代の第1の紀にしようという意見もある。…
【地質時代】より
…累界,界,系,統,階は年代層序区分,累代,代,紀,世,期は年代区分である。
[隠生累代]
地質系統,つまり地質時代の編年表の大区分は,累代Eonあるいは累界Eonothemで,〈生命の存在した証拠が判然としない〉という意味のCryptozoic(隠生累代)と〈生命の存在した痕跡が明らかな〉という意味のPhanerozoic(顕生累代)に2分される。ところが顕生累代の名が世界的に受け入れられているのに,隠生累代はほとんど忘れられて,かわりに先カンブリア時代Precambrianがよく使われる。…
※「隠生累代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」