世界大百科事典(旧版)内の集団制作の言及
【演劇】より
…それは俳優の身体訓練の中から一つの劇作術を造型していく手続きだともいえる。その意味では,A.ムヌーシュキンの太陽劇団による集団制作は,特権的な演出家そのものをも廃止しようとする企てであったが,ここでも最終的には上演を貫く〈劇作術の統一〉をはかる存在は必要であり,事実存在したのであって,集団制作とは,誰もが勝手に思い思いの芝居を持ちよることではなく,集団構成員の自発性を引き出し,それを表現の契機とするための一つの仕組みだったのである。
[演劇における言葉]
肉体演劇は演戯者の存在そのものを裸形の身体として露呈させたが,その対部のようにして舞台上の〈言葉〉の存在そのものをも露呈させることになった。…
【シャウビューネ】より
…この名の劇団は以前にもあったが,現在のものは1960年代に西ベルリンのハレ波止場の保険会社のホールを本拠として設立された。70年に演出家ペーター・シュタインを中心とした意識の高い若い演劇人が結集し,集団制作によってすばらしい成果をあげるようになってから,にわかに注目された。81年秋からは,クーアフュルステンダム通りの新機構を備えた新しい劇場に移っている。…
※「集団制作」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」