非人施行(読み)ひにんせぎょう

世界大百科事典(旧版)内の非人施行の言及

【慈善事業】より

… 古代の慈善救済活動は儒教思想の影響を強く受けた公的な諸制度と福田思想を基本とする私的な活動とに大別できるが,前者は十分に機能を発揮しえず早く停廃されたものもあり,平安期まで存続した制度も一部の地域で機能するにとどまったとみられ,中世へ継承されたのは主として個人による活動であった。【舟尾 好正】
[中世]
 中世における慈善事業の中心となっていたのは,仏教者が慈悲行・布施行(ふせぎよう)の実現を目的とする形で,乞食非人と呼ばれた人々に非人施行をすることであった。その最も早い時期の宗教活動家としてあげられるのは,東大寺別当となった永観(1053‐1132)を中心とする平安末期の浄土教の聖であろう。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」