韓拙(読み)かんせつ

世界大百科事典(旧版)内の韓拙の言及

【三遠】より

…たとえば郭熙の《早春図》は,三遠法を並列的に併せ用いている。他に北宋末期の韓拙は,雲煙の空気遠近法的機能に着目して,闊遠・迷遠・幽遠を三遠とし(《山水純全集》),元末の黄公望は平遠・闊遠・高遠を三遠とした(《写山水訣》)。しかし一般的には郭熙の三遠をさす。…

【水墨画】より

…概していえば筆すなわち線描は客観的描写を,墨は主情的表現を象徴するもので,水墨画の世界はこの筆墨二極間に成立する楕円にも比せられ,そこに多様な皴法が展開されるのである。北宋の諸家,たとえば郭若虚の《図画(とが)見聞志》はそれを落筆,皴淡,留素借地とし,総称して破墨の功といい,郭熙の《林泉高致》は筆墨の間を斡淡,皴擦,渲,刷,捽,擢,点に分け,韓拙の《山水純全集》は皴払は多端で一点一画に諸家の体法のあることをいい,披麻皴,点錯皴,斫砕皴,横皴,連水皴という命名をあげている。 水墨の技法は元来山水画のものであったが,やがて人物画にも応用され,樹石を描く皴法と人物の衣文の皴法とは同一視された。…

※「韓拙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」