餅こうじ(読み)もちこうじ

世界大百科事典(旧版)内の餅こうじの言及

【こうじ(麴)】より

…こうじはその形状により次の2種に分けられる。(1)餅こうじ 生または炒(い)った穀物を粉砕,水で練って煉瓦状,円板状,だんご状にかため,カビをつけたもの。これには茅台酒(マオタイチユウ)などの中国の蒸留酒や韓国の濁酒(マッカリ)の製造に用いられる麯子(きよくし)や紹興酒に使われる酒薬(薬草やその汁などを加え成型し,カビをつけたもの),台湾の米酒(ミーチユウ)用の白(パイチユイ),東南アジア諸国のラギー,ヒマラヤ山地のマルチャなどがある。…

【酒】より

…乾燥した気候でカビの生えることの少ないオリエント,エジプト,ヨーロッパでは発芽大麦(麦芽)のもつ糖化力を利用した穀物の酒ビールが生まれた。また食習慣も酒造法に影響を与え,小麦の伝来とともに粉食の技術を知った前漢末以降の中国では,生の穀粉を練り固めてカビを生やした餅こうじを使った酒造法が主流をなし,粒食をする日本では蒸した米にカビをつけた撒麴(ばらこうじ)で酒がつくられている。このような麦芽やこうじによる穀物酒の発生にいたる進化の中間段階に存在する酒として,焙焼酒(ばいしようしゆ)と口嚼酒(くちかみのさけ)がある。…

【醸造】より

…醸とは,樽や酒つぼを意味する酉(ゆう)の字と,なかに物をつめる意の襄(じよう)の字をあわせたもので,酒つぼなどの容器に原料を仕入んで,酒,食酢,みそ,しょうゆなどを醸(かも)すことを意味する。カビの胞子がとび散るさまから麴(こうじ)のことを〈加無太知(かむたち)〉とよび(《和名抄》),かむたちをまぜて酒を造ることを〈醸(かすも)〉といった(《古事記伝》)。また口で米を〈咀(かみ)て〉酒を造ったという《大隅国風土記》の記録を引用して醸は〈嚼(かむ)〉に通ずるとする説もある(《和訓栞》)。…

※「餅こうじ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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