世界大百科事典(旧版)内の餅まきの言及
【散米】より
…いずれも散米によって邪悪なものを祓い,神聖な空間を現出しているのであるが,同様のことは《宇津保物語》《栄華物語》《今昔物語集》などにも記されている。米に限らず,節分の豆まきや12月1日の川祭(川浸り)の餅まき,棟上祝の餅まき,寺院の生飯(さば)などのように,食べ物をまく行事が各地にある。これらは散米と同じ意味をもち,その土地にひそむ悪霊や邪悪な魔物に食べ物を供えて供養し,同時に穀物の霊力によってそれらを祓い鎮めようとしたものである。…
【船下し】より
…新造船の進水式のことで,ダイオロシともいう。前日までに船大工の手によって船霊(ふなだま)をまつり込んだ船を浜辺に出し,祈禱や献饌の後,船主や船頭などによる餅まきが行われ,船を水に浮かべて,試運転をする。この際,船主とか船主の妻女をわざと海へつき落としたり,あるいはコケラオトシとかコケラオドシなどといって,わざと船を大きく揺らせる風習や,船を一度転覆させる所作が伴うところがある。…
※「餅まき」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」