世界大百科事典(旧版)内の香の十徳の言及
【香道】より
…香は倫理に立ち入ることなく,あくまで美的境地にとどまるのである。しかし香にも〈香の十徳〉(《松屋筆記》)なるものがあり,感動鬼神,清浄心身,能除汚穢,能覚睡眠,静中成友,塵裡偸閑,多而不厭,寡而為足,久蔵不朽,常用無障といった徳があげられているが,これは茶道との習合の中で成立したものとみられる。香道の要は一木の沈香を賞翫し,その美を窮めるにあるが,その修錬の方途として組香という文学と香との結合に想到した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」