馬山輸出自由地域(読み)ばさんゆしゅつじゆうちいき

世界大百科事典(旧版)内の馬山輸出自由地域の言及

【大韓民国】より

…60年代後半,借款導入による工業化の進展がみられたが,その反面,借款企業の経営悪化(いわゆる〈不実企業〉の発生),工業化に伴う輸入拡大と借款元利金返済の増大を原因とする国際収支危機などの新たな問題が生じ,外資導入政策は直接投資の促進と輸出産業の育成へと重点を移行させていった。外資企業への優遇措置と低賃金労働とを結びつけ,輸出向け生産のみを行う馬山輸出自由地域の設置(1970)は,この転換の象徴であった。こうして60年代後半から70年代後半まで,韓国経済は外資に依存しつつ輸出の顕著な伸びを実現し,高度成長を持続することができた。…

【馬山】より

…解放後は,1960年に不正選挙に端を発する馬山事件が発生し,李承晩政権崩壊(四月革命)の導火線となった。朴正熙政権の下で70年に,外国企業を誘致して輸出産業を興し,外貨獲得を目的とする馬山輸出自由地域が設置された。70年代末までに約66万m2の敷地に雑貨,縫製加工品,電気機器類を主とする工場が約100ほど建設され,雇用人員3万人,輸出額5億ドルをあげるにいたり,市人口も1960年の15万7000人から75年には37万2000人へと増大し,韓国第7位の都市に浮上した。…

※「馬山輸出自由地域」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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