世界大百科事典(旧版)内の高度順応の言及
【順応】より
…生物個体の生理的性質が,環境条件の変化に応じて,生存に有利な方向に徐々に変化する現象。たとえばメダカなどの淡水魚が徐々に塩水になれて,最終的に海水でも生活できるようになる塩分順応,高温や低温で飼育された動物が,それぞれ高温や低温に強くなる温度順応,空気の希薄な高地に数日~数週間滞在すると血中ヘモグロビンが増加し,肺や心臓の機能が調整されて平常に近い活動ができるようになる高度順応など,さまざまの環境要因にたいする順応がある。一般には非遺伝的な適応adaptation現象であって多くは可逆的変化である。…
【登山】より
…今かりに普通の人を,減圧室で5500mの高所条件に急にさらすと,血液の酸素飽和度は70%に下がってしまい,重篤な高山病症状を呈する。高山病はある高度以上で必ず起こるが,通常その高度に数日間滞在すると,人体が酸素不足に適応する高度順応(高度順化)が起こる。一般に順応には10日前後が必要であり,しだいに高度を増す一方,適当な時期に下降して休息するのがよいとされている。…
※「高度順応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」