世界大百科事典(旧版)内の鳩居堂の言及
【墨】より
…墨に関する著録としては,奈良の古梅園六代松井元泰の《古梅園墨談》《古梅園墨譜》《大墨鴻壺集》,藤原守美の《桂花園墨譜》などが刊行された。江戸末期から京都の鳩居堂が台頭し,鳩居堂銘の墨が出回るようになった。しかし近年の墨業は一般に鉱物性の煙煤による大量生産の形態をとることが多く,墨匠の技芸に頼るよりは,むしろ科学的合理的な製墨法が行われ,さらに墨液,練り墨が普及している。…
【筆】より
… 幕末の市河米庵(べいあん)も蔵筆200余枝の図録《米庵蔵筆譜》(1834)をはじめ,《米庵墨談》正・続,《小山林堂書画文房図録》などを刊行し,文房具に関する研究を深めた。製墨で有名な奈良の古梅園が京都に店を出し,薬物薫香を業とした鳩居堂が,筆の販売にも携わるようになった。明治になって学制が改革されると,寺子屋で行われてきた通俗な御家(おいえ)流にかわって雄勁な唐様が採用され,用筆も巻心を廃して水筆(無心筆)が多く使われるようになった。…
※「鳩居堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」