(読み)みえん

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【餅】より

…いずれにせよ,もち米を蒸して臼に入れ,杵で搗(つ)いたうえで,いろいろの形につくったものを餅の字で表してきたのであるが,餅という漢字は日本独自の使い方であり,中国の用法とはまったく異なっている。風俗学者で食物史家の篠田統(おさむ)(1899‐1978)によると,中国では饅頭(マントウ),餃子(チアオズ)などの小麦粉製品の総称が餅(ピン)であり,小麦粉そのものが麵(ミエン),小麦以外の穀物(米,アワ,キビ,豆など)の粉製品を餌(アル)といい,餌がのちに細かく分かれ,よくこねて大きいままで蒸したものを餻(カオ),小さくまるめて蒸したものを円(ユワン)(とも),円の中に餡を入れたのを団(トワン),米を粒のまま蒸してから搗いたのが餈(ツー)であるという。すると中国の餈が日本の餅にあたるわけであるが,日本では餈は(しとぎ)のことである。…

【コムギ(小麦)】より

…コムギ属Triticum作物の総称。イネ科の一,二年草。最も広範な地域で栽培されて最大の生産量をあげ,イネ,トウモロコシとともに世界三大穀物の一つで,人類の主食をまかなう重要な作物。長い農耕の歴史の中でしだいに生産性の高い品種にかわってきたが,現在栽培されているのは大部分がパンコムギT.aestivumL.(英名common wheat,フツウコムギともいう)(イラスト)である。
[種と分布]
 コムギは一粒系コムギ(二倍種,染色体数2n=14,ゲノムA),二粒系コムギ(四倍種,2n=28,ゲノムAB),チモフェービ系コムギ(四倍種,2n=28,ゲノムAG)および普通系コムギ(六倍種,2n=42,ゲノムABD)の4群からなる。…

【小麦粉】より

…【柴田 茂久】
[日本での利用史]
 うどん粉の呼称が示すように,近代以前の日本では,小麦粉はうどんやそうめんの材料として使われることが多かった。麵(めん)(麪とも)は本来は小麦粉のことであるが,日本でも古くは〈無岐古(麦粉)〉と読み,小麦粉の意であった。この麵,あるいは小麦粉の名は奈良時代から見られ,主として索餅(さくべい)をつくるのに用いられた。…

【中華蕎麦】より

…中国風のめん類,めん料理の日本での呼称。めんとは,日本のうどん,朝鮮半島の冷麵や,イタリアのパスタ類のように小麦粉を原料としてつくる細長い線状の食品を指すことが多い。中国の粉食を大別すると,米粉を原料にした餌と小麦粉を原料とする餅がある。…

【めん類(麵類)】より

…うどん,そばなどのように小麦粉,そば粉などをこねて細長い線条に切った食品の総称。中国ではもともと〈麵〉は小麦粉のことで,小麦粉を水その他でこねたものは〈餅(へい)〉と呼ばれた。ヨーロッパでパスタ,ペースト,などと呼ぶのが餅に相当する。…

※「麵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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