黄文画師(読み)きぶみのえし

世界大百科事典(旧版)内の黄文画師の言及

【飛鳥美術】より

… このように太子時代の対外関係は,百済より新羅へと大転換したが,そのかげにあって飛鳥美術に実質的な影響を与えている高句麗の存在も看過しえない。憲法十七条制定の604年,黄文画師(きふみのえかき)や山背画師など,画師の区分が定められたが,はじめに高句麗出身の黄文画師をかかげるところに,その存在の大きさがうかがえる。《日本書紀》によれば610年高句麗王は,彩色・紙墨の技術者である僧曇徴を貢上するが,これは日本における画材の需要増大を反映しているとともに,その技術が高句麗からもたらされた点が注目される。…

【黄文本実】より

…薬師寺蔵《仏足石碑》銘によれば,唐の王玄策が中天竺で転写した仏足石図を日本使人黄書本実が唐普光寺で再転写し請来したという。黄文姓を名のる画師は史書に散見するが,604年(推古12)に山背(やましろ)画師と共に黄文画師を定めたことに始まる(《日本書紀》《聖徳太子伝暦》)。683年(天武12)には黄文造が連(むらじ)姓を賜り,奈良時代になると758年(天平宝字2)の《画工司移》に記された黄文連乙万呂などの名が見える。…

※「黄文画師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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