黄鉞車(読み)こうえつしゃ

世界大百科事典(旧版)内の黄鉞車の言及

【鉞】より

…周の武王が牧野(ぼくや)で殷の紂王(ちゆうおう)を討ったときに,左手に黄鉞を杖としていたという伝説に象徴されるごとく,鉞は王が正義をとり行う具と考えられ,刑罰において使用されたもので,鉞による斬首をかたどる図象文字が殷時代にある。《後漢書》輿服志によれば,漢時代では天子の車馬行列に黄鉞車,県令以上の役人の車馬行列には斧車を加えていることが知られるが,これは殷時代の観念がのこり,漢時代でも刑罰をとり行う大型の斧を鉞とよんでいたことを示している。殷時代後期・西周時代の遺物の中には鉄刃銅鉞といわれる,刃のところが隕鉄(いんてつ)を利用してつくられたものがみられる。…

※「黄鉞車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」