世界大百科事典(旧版)内の黒幕会議の言及
【黒幕】より
…明治憲法下で機構上の最高統治者であった天皇が実質的な政治決定を行う存在ではなかったために,各統治機関の間に対立が生じ,政治的意思決定が困難になる場合があったが,元老と称される人々がその個人的権勢に基づいて政治に非公式に参画し,内閣首班の決定をはじめ政策遂行に大きな影響を及ぼし,その結果として統治機関の統一的運営が可能になるという面があった。第1次松方正義内閣の閣員が弱体なため維新の元勲たちが重要国策の決定にあずかったことが元老の活動の発端とされているが,当時彼らの会合が〈黒幕会議〉と呼ばれたのはその役割を象徴的に語るものといえよう。黒幕的人物は政治の場には程度の差こそあれ常に介在し,積極的な役割を果たす場合もあるが,問題となるのは,彼らの行為が表から見えにくいために個人的恣意に陥りやすく,またそれへの有効な統御ができないことである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」