世界大百科事典(旧版)内の黒貴の言及
【赤酒】より
…同様な酒に,鹿児島,宮崎両県の地酒(じしゆ),石川県の七尾酒,島根県の地伝酒(じでんしゆ)などがある。この酒の起源を朝鮮半島とする民間説話も多いが,蒸米,米こうじ,水でもろみをつくり,熟成後久佐木(くさき)の灰を加えて搾る黒貴(くろき)の酒が,灰を加えない白貴(しろき)の酒とともに宮中の新嘗会(しんじようえ)に献進されたと《延喜式》(8世紀初頭)にあり,赤酒は清酒の原形の一つと考えられる。木灰の原木にはケヤキ,カシ,クヌギなどが使われる。…
【清酒】より
… 大化改新後,宮内省のなかに造酒司(さけのつかさ)がおかれ,《延喜式》によるとここでこうじを使ってなん種類かの酒がつくられていた。なかでは新嘗会(しんじようえ)に使われた白貴(しろき)(白酒(しろき)),黒貴(くろき)(黒酒(くろき))と呼ばれる酒が有名で,10月上旬の吉日に臼殿(うすどの)で米をつき,こうじ室(むろ)でこうじをつくり,酒殿(さかどの)に並べたかめに蒸米とこうじと水を混ぜて酒を仕込んだ。現在の酒母(しゆぼ)の仕込みに近いが,こうして10日ほどで白貴ができる。…
※「黒貴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」