世界大百科事典(旧版)内の《17番目の人形の夏》の言及
【オーストラリア】より
…歴史的にはゴールドラッシュ時代から商業演劇は盛んで,自国作家の小説の翻案ものなどがよく上演されてきた。戯曲,劇団,劇場の三拍子がそろって大成功したのはローラーRay Lawler(1921‐ )作《17番目の人形の夏》(1955)が最初であった。オーストラリアのエートスの核をなすメートシップの病理をえぐり出したこの作品が,国内はもとよりロンドンで7ヵ月のロングランを続けるまでの反響を引き起こしたことは,文化ナショナリズムをいたずらにうたい上げる1890年以降の傾向を,戯曲作家や演劇関係者だけでなく,観客の一般オーストラリア人自身が脱皮し始めた証拠と見ることができる。…
※「《17番目の人形の夏》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」