世界大百科事典(旧版)内のイスラム陶器の言及
【イスラム美術】より
…特に陶器の製作は,単に王宮内の工房のみならず一般庶民の間でも広く行われたので,陶器の形式,技法,装飾のいずれもバラエティに富んでいる。イスラム陶器は,中国陶磁器に次いで高度の発達を遂げたといわれているが,特に,装飾の多様な点でそれを凌駕するものはないであろう。また,技法については,ラスター彩,透し彫,搔落し,色絵など,種類の豊富な点において中国のそれに決して劣るものではない。…
【陶磁器】より
… 元代,景徳鎮窯で白磁の釉下にコバルト(青料)で絵付をして透明釉をかけた染付(青花)が発明され,景徳鎮窯は中国の陶磁器生産の一大中心となった。染付の起源については,(1)磁州窯,吉州窯などの鉄絵彩陶の影響,(2)西アジアのイスラム陶器の影響,(3)景徳鎮窯の独自の発生などさまざまな説があり,またその最初も,中国では晩唐・北宋説,日本やヨーロッパでの14世紀初めという説があって確定しない。しかし14世紀のごく早い時期に,染付がつくられていたことは明らかである。…
※「イスラム陶器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」