T 細胞(読み)てぃーさいぼう

世界大百科事典(旧版)内のT 細胞の言及

【胸腺】より

…魚類以上のすべての脊椎動物に存在する免疫器官。鰓囊(さいのう)に由来し,T細胞の分化の場として役だっている。どの鰓囊から生じるかは,動物進化の程度によって異なっているが,組織構造は,ヒトの胸腺と類似点が多い。…

【抗原認識】より

…それに合致する抗原が受容体に結合した場合にのみ,そのリンパ球が増殖し,分化して免疫機能を発揮するのである。リンパ球には,抗体産生細胞の前駆細胞であるB細胞群と,免疫の調節や細胞性免疫にあずかるT細胞群がある。B細胞とT細胞では抗原受容体が同じではなく,抗原認識の仕組みも異なることが知られている。…

【抗体】より

…このタンパク質が抗体である。
【抗体産生細胞】
 抗原の侵入に対する生体免疫系の反応,すなわち免疫応答の主体をなす細胞はリンパ球系の細胞であって,これは胸腺由来リンパ球(T細胞)と骨髄由来リンパ球(B細胞)に大別される。B細胞が抗体産生細胞の前駆細胞であって,抗原で刺激されると,通常T細胞の補助効果を受けながら増殖,分化して抗体を合成,分泌するようになる。…

【免疫】より

…いずれも骨髄の造血幹細胞と呼ばれる祖先細胞から分化したリンパ球と総称される細胞であるが,機能的にはまったく異なっている。一つはT細胞T cellと呼ばれる細胞で,胸腔内に位置する胸腺thymus(T細胞のTはthymusに由来する)に入って,胸腺上皮の影響下で分化した小型のリンパ球で,胸腺を経由したのちはリンパ節,脾臓などの末梢のリンパ臓器の特定の部位(胸腺依存域)に分布する。もう一つの細胞は骨髄bone marrowに由来するという意味からB細胞と呼ばれ,造血幹細胞に直接由来するもので(ただし鳥類では,総排出腔の近くにあるファブリキウス囊の影響下で分化する),末梢リンパ組織に集まった,同じく小型のリンパ球である。…

【免疫細胞系】より

…マクロファージのほとんどすべてとリンパ球は,後期胎児以後では骨髄に定着する造血幹細胞に由来する。幼若リンパ球のあるものは胸腺に移ってT細胞に分化し,またあるものは,鳥類では総排出腔近くのファブリキウス囊で,他の脊椎動物では未知のどこかで(骨髄内という説もある)B細胞に分化する。T細胞はさらに数亜群に分化しており,免疫応答一般のヘルパーT細胞あるいはサプレッサーT細胞,細胞性免疫の効果細胞などの前駆細胞になる。…

【リンパ球】より

…ガラスやプラスチック面を遊走するとき,細胞小器官のなかで核を先頭にして移動するという運動形態学的共通性を備えた血液中の細胞群の総称で,免疫過程において重要な役割をはたす。脊椎動物では,胸腺由来のT細胞thymus derived cell(Tリンパ球),および鳥類のファブリキウス囊bursa fabriciiないし骨髄bone marrow由来のB細胞(Bリンパ球)に大別される。また大きさから,小リンパ球(直径6~8μm,成熟リンパ球)と大リンパ球(直径8~16μm,小リンパ球の幼若型あるいは若返り型)に分類される。…

※「T 細胞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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