世界大百科事典(旧版)内のamṛtaの言及
【インド神話】より
…ブラフマー(梵天)はそのへそに生えた蓮花から生じたという。太古,ビシュヌが音頭をとり,神々とアスラ(阿修羅)たちは,アムリタamṛta(甘露)を得ようとして,大海を攪拌した。その際,海中から次々と珍宝が出現し,ビシュヌの妃となったシュリー・ラクシュミーŚrī‐Lakṣmī(吉祥天女)もそのときに海中から現れた。…
【ガルダ】より
…《リグ・ベーダ》に見えるスパルナ(〈美しい翼を持つもの〉の意)の神話がガルダ伝説の淵源と考えられ,金翅鳥(こんじちよう),妙翅鳥と訳される。ガルダは蛇族の奴隷にされた母のビナターを救うために,不死の飲料であるアムリタamṛta(甘露)を神々から奪い,蛇族のもとに運ぶ。しかしインドラ神と密約を結び,それを蛇から取りもどし,かつそれ以後,蛇(竜)を常食とするようになったという。…
【甘露】より
…古代のインド,中国の伝承の霊薬。インドでは,もとサンスクリットのamṛtaで〈死なない〉ことを意味することばであるが,インド最古の古典《リグ・ベーダ》では転じて不死なること,神を意味し,そこから神々の食物や飲料をも意味するようになった。したがって,本来どのようなものであったかは明らかでないが,古代インドの伝承では,しばしばソーマ酒(ソーマなる植物より造った飲料,酒で神に供えられる)と同一視され,みつのように甘く,万病の薬とされている。…
※「amṛta」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」