世界大百科事典(旧版)内のAndrews,J.の言及
【ミュージカル映画】より
…そのなかから,例外的に大ヒットした《ウェスト・サイド物語》(1961)が,ブロードウェー・ミュージカルの大型映画化ブームを呼ぶことになるが,ナタリー・ウッド主演の《ジプシー》(1962)やオードリー・ヘップバーン主演の《マイ・フェア・レディ》(1964)は,歌や踊りとは縁のないスターを起用して,歌はプロの歌手の歌をダビングし,踊りはプロのダンサーが代わって踊るという,ステージのオリジナルの迫力と魅力をまったく欠くミュージカル映画であった。そのなかでは,《メリー・ポピンズ》(1964)につづく,本格的に歌って踊れるジュリー・アンドリュースJulie Andrews(1935‐ )主演のブロードウェー・ミュージカルの70ミリ映画化《サウンド・オブ・ミュージック》(1965)が,業界で〈サウンド・オブ・マネー〉と呼ばれたほどの記録的ヒットを飛ばしたが,ミュージカル映画というよりは家族向きの〈音楽映画〉と呼ぶべき作品で,本来のミュージカル映画というジャンルに寄与するところは少なく,むしろ無策なハリウッドに悪影響を残したともいわれる。ワーナー・ブラザース=セブン・アーツの《キャメロット》(1967),20世紀フォックスの《ドリトル先生不思議な旅》(1967),コロムビアの《ファニー・ガール》(1968),MGMの《チップス先生さようなら》(1969),パラマウントの《ペンチャー・ワゴン》(1969)など,《サウンド・オブ・ミュージック》の成功に追随しようとした〈大作〉はいずれも失敗し,各社に損害を与えた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」