世界大百科事典(旧版)内のBaldinucci,F.の言及
【カリカチュア】より
…〈カリカチュア〉という語は,イタリア語の動詞caricare(荷を負わす,誇張する)に由来する。1646年にイタリアで肖像画についてカリカトゥーラcaricaturaという語が用いられ,また81年イタリアの美術史家バルディヌッチFilippo Baldinucci(1625‐96)の《絵画用語事典Vocabolario toscano dell’arte del disegno》に用いられて定着した。日本では,明治時代のポンチ絵,それ以前は明確でないが,戯画,漫画,狂画嗚鳴呼絵(おこえ),鳥羽絵,ざれ絵などがこれにあてはまることがある。…
【キアロスクーロ】より
…単に凹凸表現の技法としてでなく,画面表現として暗部効果が強調されるときにはテネブリスムténébrismeと呼ばれることがあり(例,J.deリベラ),また繊細な輝きの効果に対してリュミニスムluminismeなる言語が用いられる場合(例,ワトー)もある。キアロスクーロという語は1681年にバルディヌッチFilippo Baldinucci(1624‐96)がグリザイユのような単色の絵画について用いたことに始まる。明暗法(2)明暗版と訳され,カマイユcamaïeuとも呼ばれる。…
【明暗法】より
…ここから,今日に至るまでアカデミズムの中心思想の中に,明暗のみによる素描を絵画の骨格とする理論が残った。〈キアロスクーロ〉なる用語は,1681年イタリアの美術史家バルディヌッチFilippo Baldinucci(1624‐96)が単彩のグリザイユに与えた名称とされる。フランスでは,《絵画課程》(1708)を著したロジェ・ド・ピールが明暗法の代表的理論家である。…
※「Baldinucci,F.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」