世界大百科事典(旧版)内のBarbieri,F.A.の言及
【スペイン音楽】より
…このジャンルは17世紀に宮廷で発祥し,当初は神話や英雄伝説に題材をとった荘重なものであったが,18世紀後半になると民衆的・風俗的な内容のものが現れた。その後,寸劇風で民衆性・民族性の濃い歌芝居トナディーリャtonadillaの流行,イタリア・オペラの勢力などから一時忘れられたサルスエラは,19世紀の中葉に,バルビエリFrancisco Asenjo Barbieri(1823‐92)ほかいく人かの才能ある作曲家たちの手で復興した。世紀末ごろまでにはチャピRuberto Chapí(1851‐1909)をはじめ数々のサルスエラ専門作曲家が輩出,このジャンルはとくにマドリード市民のあいだで絶大な人気を博した。…
【パソドブレ】より
…ふつう闘牛用の吹奏楽団(バンダ・タウリーナbanda taurina)によって演奏されるが,鑑賞用あるいはダンス用として管弦楽団,ポピュラーな編成による楽団などのために編曲されることも多い。歴史は判然としないが盛んになったのは19世紀後半からで,たとえばバルビエリFrancisco Asenjo Barbieriのサルスエラ(民族的オペレッタ)《パンと闘牛Pan y Toros》(1864)の中に1曲のパソドブレが聞かれる。よく演奏される名曲としては,パスクアル・マルキーナ作曲《エスパーニャ・カニーEspaña Cañí(ジプシーのスペイン)》,サンチアゴ・ロペ作曲《ガリートGallito》,クレト・サバラ作曲《ビバ・エル・ルンボ! Viva el Rumbo!》などが挙げられる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」