世界大百科事典(旧版)内のBardem,J.A.の言及
【スペイン映画】より
… スペイン映画のパイオニアとして知られるのは,カメラマンでありアニメーション作家でもあるセグンド・デ・チョーモンSegundo de Chomón(1871‐1929)で,イタリア史劇の超大作《カビリア》(1913)の撮影を担当したことでも名高い。しかし,スペイン映画が初めて国際的に注目されたのは,50年代に,イタリアの〈ネオレアリズモ〉の影響から生まれたベルランガLouis Garcia Berlanga(《ようこそマーシャルさん》1952)とバルデムJuan Antonio Bardem(《恐怖の逢びき》1955)の作品がともにカンヌ映画祭で受賞してからであり,〈新しいスペイン映画〉への期待が深まったが,フランコ政権の検閲のきびしさもあって飛躍的な発展を見せず,60年代後半からようやく,ブニュエルの後継者をもって任ずるサウラCarlos Saura(《ペパミント・フラッペ》1967,《カルメン》1983)に次いで,エリセVictor Erice(《ミツバチのささやき》1973,《エル・スール》1983)のような〈真の〉スペイン映画が登場してきたばかりである。【広岡 勉】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」