世界大百科事典(旧版)内のBuhl,F.の言及
【イスラム学】より
… 優れた先駆者に恵まれたイスラム学は20世紀にいたって飛躍的な発展をみ,ネルデケの《コーランの歴史》は徹底的な増補改訂がなされ(3巻,1909‐38),外来語彙,異文の研究のほか,章節の相対的ならびに絶対的年代の確定,用語の正確な意義,ユダヤ教・キリスト教の影響等の研究が進められた。ムハンマド伝に関しては,クロノロジーを含む細部をほぼ決定したブフルFrants Buhl(1850‐1932)の《ムハンマド伝》(1903,ドイツ語版1930)に続き,社会学的分析を特徴とするW.M.ワットの二部作(1953,56),宗教心理学的視点からするT.アンドラエの《ムハンマド》(1930)等が著された。フォン・クレーマーの思想史研究は神学・哲学・政治思想の個別研究によって受け継がれ,とくにR.ニコルソンとマシニョンによるイスラム神秘主義の研究は,神学や法学の研究で知ることのできないイスラムの一側面を明らかにした。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」