世界大百科事典(旧版)内のcappellaBrancacciの言及
【マサッチョ】より
…両作品とも,当時イタリアで流行していた装飾性に富んだ貴族趣味的な国際ゴシック様式をまったく排している。フィレンツェのサンタ・マリア・デル・カルミネ教会の献堂式の模様を描いた,バザーリ激賞の《サグラ》は16世紀に破壊されてしまったが,同教会内ブランカッチ礼拝堂cappella Brancacciのマソリーノ・ダ・パニカーレとの共作による壁画は,イタリア・ルネサンス絵画の誕生を告げる記念碑となっている。マサッチョが担当したのは《楽園追放》《貢の銭》《洗礼を施すペテロ》ほか2場面で,《楽園追放》では強い明暗効果により,自己の犯した罪に慟哭(どうこく)するアダムとイブの姿を浮彫にし,約1世紀後のミケランジェロの同一主題の作品(システィナ礼拝堂)をもしのぐほどの迫真性を見せている。…
※「cappellaBrancacci」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」