世界大百科事典(旧版)内のCarissimi,G.の言及
【キリスト教音楽】より
… プロテスタントの離反によって痛手を受けたカトリックは,17世紀に入ると,信徒の教化の手段として,当時新たに興って人気を集めていたオペラの劇的様式に注目し,それを宗教的題材に適用してオラトリオを創始した。オラトリオの初期の大家であるカリッシミGiacomo Carissimi(1605‐74)が,当時とくに宣教活動に熱心であったイエズス会のコレッジョ(学院)を背景として活躍したことは意味深い。しかし,この動きはただちに宗派の別をこえて他の諸国にも波及し,フランスのM.A.シャルパンティエ,ドイツのシュッツとバッハ,イギリスのヘンデルらのすぐれたオラトリオ作曲家が現れる。…
【バロック音楽】より
…
[楽曲形式と主要作曲家]
声楽曲の形式の中でとくに重要なのは,前言したようにオペラやオラトリオなどの劇音楽の形式である。これらの形式は成立当初は(オペラのモンテベルディ,オラトリオのカリッシミGiacomo Carissimi(1605‐74)ら),場面の構成がきわめて流動的であったが,17世紀末から18世紀にかけてはアリアとレチタティーボを規則的に交替させる形式がしだいに支配的となった(ストラデラAllessandro Stradella(1644‐82),A.スカルラッティ)。オペラの分野では,18世紀に入ると,悲劇的な題材をもつ格調の高いオペラ・セーリアに対して,笑劇的な要素を含む喜歌劇がそれぞれの国に興った(イタリアのオペラ・ブッファ,フランスのオペラ・コミック,ドイツのジングシュピール,イギリスのバラッド・オペラなど)。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」