世界大百科事典(旧版)内のcasebindingの言及
【装丁(装幀)】より
… 産業革命以後の書物造型の歴史は,複製技術としての印刷の進歩に伴う外見上の美しさは別として,製本面では堕落の一途をたどるといってもいいすぎではない。増加する一方の製本需要に対処するのにかっこうな簡易製本(くるみ製本case binding)が出現し,しだいにほとんどの書物がこの方法で製本されてから版元を出ることになってゆく。外見の差はわずかだが,決定的な違いは,それまでの書物が〈とじつけ〉と呼ばれる名のとおり,強い麻糸にかかえこまれた背とじひも(かがり糸と直角に交差し,背の外側に3~5本通っている)を,表紙の芯紙(カルトン)にあけた穴に通し,しっかりととじつけてあるのに対し,くるみ製本は表紙と中身を別々につくる。…
※「casebinding」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」