世界大百科事典(旧版)内の《ChantsdeMaldoror》の言及
【ロートレアモン】より
…死後も長く埋もれたままであったが,20世紀に入ってブルトン,アラゴンらのシュルレアリストたちによって激賞されて以来,シュルレアリスムの先駆者として,またランボーと並ぶ天才詩人として一躍有名になった。自費出版の散文詩集《マルドロールの歌Chants de Maldoror》(1869)は,六つの部分から成り,悪の化身マルドロールを主人公に,神への反逆と呪詛,人類への愛と憎悪を激越な言葉で歌い上げているが,そこでは奔放な幻想と数学的な正確さ,深層心理的情念の噴出と即物的表現とがふしぎな一致をみせている。一方,本名で出版された《ポエジー,未来の書の序》(1870)は,一転して善行と信仰をたたえ,絶対的肯定の態度を表明していて,彼の謎の一つとなっている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」