世界大百科事典(旧版)内のChanute,O.の言及
【グライダー】より
…彼らの鳥をまねて作った機体は,現在ハンググライダーと呼ばれる人がぶら下がる形式のもので,62年から徐々に改良を重ねていき,ついに高さ約50mの丘から斜面を利用して数百mは滑空できるものに仕上げた。O.リリエンタールの墜落死(1896)以後,何人かの後継者がグライダーの改良を続けたが,その中の一人であるアメリカの鉄道技師シャヌートOctave Chanute(1832‐1910)は,複葉のグライダーを製作し,1000回を超える滑空に成功したうえ,飛行機械についての本も出版した。多くの彼への問合せの手紙の中には,ライト兄弟の兄ウィルバーのものもあり,ライト兄弟はシャヌートを師とし,彼らなりにも滑空実験を行った後,1903年12月17日の飛行機による初飛行に成功したのである。…
【飛行機】より
…失速事故で墜死するまでに2000回の実験を行い,固定翼の空力特性について,貴重な資料を残した。彼に続いて多くの研究家がグライダーの実験を始めたが,アメリカのシャヌートOctave Chanute(1832‐1910)は,自然界には見られない複葉翼のグライダーを考案した。複葉とは主翼の翼面積を2枚に分けて上下に配置する形式で,単葉翼に比べて全体がコンパクトにまとまる利点があり,その後の飛行機設計者に大きな影響を与えた。…
※「Chanute,O.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」