世界大百科事典(旧版)内のcountervailingstrategyの言及
【核戦略】より
…同政権のブラウン国防長官は,ソ連の核戦力がミサイル数や破壊威力総計などで優位にあることを指摘して,〈ソ連の享受している戦力特質のどのような面も,アメリカが持つ他の有利な面で相殺することが必要だ〉と述べた。カーター大統領は1980年7月,核攻撃目標の変更を指令した大統領指令第59号(PD59)に署名し,この〈相殺戦略countervailing strategy〉の実施を確認した。 ニクソンの十分性戦略に始まり,シュレジンジャーの柔軟反応核戦略,ブラウンの相殺戦略まで一貫しているアメリカ核戦略の思想は,ソ連の核戦力の増強に対抗して,小規模・限定的な核攻撃から大規模な全面核戦争まで,予想されるいかなる態様の核攻撃に対しても対応できる選択肢を持ち,これによって核抑止を強化することを目ざしているといえよう。…
※「countervailingstrategy」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」