世界大百科事典(旧版)内のCourtofAppealの言及
【イギリス】より
…主たる法源はコモン・ロー,衡平法,議会制定法であるが,議会制定法の比重は着実に増し,先例の拘束力も近年緩和されつつある。イングランドの刑事訴訟を例にとれば,刑事事件の9割以上が,通例法的専門資格のない3名程度の治安判事からなる治安判事裁判所Magistrates’ Courtで,残りの重大犯罪が1971年に発足した刑事裁判所Crown Courtで扱われ,両法廷からの控訴は控訴裁判所Court of Appealの刑事部でなされる。司法制度は法の支配の中心として高い威信と自律を享受し,素人判事や陪審員制などの伝統を残している半面,訴訟費用の国家扶助(1949導入)や死刑廃止(1965)などの改革も進められてきた。…
【高等裁判所】より
…
[欧米の場合]
第一審の裁判所と最上位の裁判所の中間に控訴のための裁判所を置いて,裁判所体系を3段階に構成し,訴訟について三審制を採るのは,外国にもしばしばみられる例である。アメリカ合衆国の連邦裁判所体系ではUnited States Court of Appeals for the circuit,ドイツ連邦共和国ではOberlandesgericht,フランスではCour d’appel,イギリスではCourt of Appealが,日本の高等裁判所に相当するといってよい。しかし裁判所の体系は各国それぞれの特殊事情を如実に反映しており,イギリスのCourt of Appealは全国を通じて一つであるとか,ドイツのOberlandesgerichtは連邦の機関であり,第一審のLandgerichtが各邦(ラント)の機関であるのと異なるなど,日本の場合とすべて一律視することはできないところがある。…
【裁判官】より
…大法官について,資格の定めはないが,バリスターbarrister―法廷弁護士の称号を有する者の中から,任命されるのが通例である。貴族院House of Lordsおよび控訴院Court of Appealの裁判官は,首相の助言に基づいて国王が任命し,高等法院High Courtの裁判官は,大法官の助言に基づいて国王が任命し,このほかの裁判官は大法官が任命する。これらの裁判官は定年に至るまでその職にとどまることができ,法律上は議会両院の決議によって罷免されることがありうるが,近年はその例はない。…
※「CourtofAppeal」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」