世界大百科事典(旧版)内のdīwānal-zimāmの言及
【ディーワーン】より
…たとえば,税務庁は9世紀,全国に私領地(ダイア)が発展してくると私領地庁を分岐させたが,892年,首都がサーマッラーからバグダードに戻ると,これら税務諸官庁をディーワーン・アッダールdīwān al‐dārとして統合,次いで全国の税務行政区を三分して,イラク担当のサワード庁dīwān al‐Sawād,イラン担当の東部庁dīwān al‐mashriq,シリア・エジプト担当の西部庁dīwān al‐maghribを設置,別にカリフ私領地庁を設けて,きめ細かく税務行政が行えるようにし,またディーワーン・アッダールは宰相(ワジール)の官房庁として,各官庁間の調整にあたった。アッバース朝におけるディーワーン制度で特徴的なことは,第3代カリフ,マフディーの時,各ディーワーンに対応して,ディーワーン・アッジマームdīwān al‐zimāmが創設されたことで,これは当該ディーワーンの業務を監督する監査庁を意味し,官吏の業務監察を行った。しかもこれら監査系の諸官庁を統括する最高監査庁も設置され,その長官はカリフによって直接任命された。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」