世界大百科事典(旧版)内のDebelius,M.の言及
【イエス伝】より
… その後1920年代に確立された様式史的研究方法は,福音書が素材としている古くからの口頭伝承の大部分が元来イエスの史実を伝えるものではなく,彼の死後成立した原始教団の復活信仰と分かちがたく結合していることを示した。この研究方法の創始者であるディベリウスMartin Debelius(1883‐1947)とブルトマンはそれぞれ1926年と39年に《イエス》という著作を公にしたが,程度の差こそあれ,従来のイエス伝のようなイエスの生涯の伝記的再構成は方法的に不可能であるとして放棄し,イエスの言葉(思想)の叙述を主目的としている。また50年代に確立され現在の福音書研究の主流となっている編集史的研究方法も,ウレーデの研究を発展させつつ,福音書の著者が近代的意味の歴史記述者ではなく,それぞれに固有な神学的主張によって導かれていることを明らかにしている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」