世界大百科事典(旧版)内のDominguez,O.の言及
【シュルレアリスム】より
…美術では,デュシャンの〈レディ・メード〉,キリコの〈形而上絵画〉の思想・方法を受けついだほか,〈自動記述〉の等価物とみなされたエルンストの〈コラージュ〉〈フロッタージュ〉が,言語によらぬシュルレアリスムの表現を可能にする。ミロ,マッソンの〈自動的デッサン〉,マン・レイの〈レイヨグラム〉や,マグリットの〈記述法〉,ダリの〈象徴的機能をもつオブジェ〉〈偏執狂的批判的方法〉,ドミンゲスOscar Dominguez(1906‐57)の〈デカルコマニー〉などの方法も,多くの重要な作品を生む。これらはイマージュやオブジェの観念を飛躍的に発展させつつ,いわゆる〈詩〉や〈幻想〉の領域を広げたばかりでなく,個性を超えた客観的創造の可能性を探ることによって,文学・芸術活動のあり方を刷新しようとしたものである。…
【デカルコマニー】より
…つやのある紙に流動性のある絵具を塗って,もう1枚の紙をあてて押しつけ,紙をはがすと偶然の生むさまざまなイメージの形が得られる。ドミンゲスOscar Dominguez(1906‐57)が1935年ころに初めて試みた手法で,〈対象不在のデカルコマニー〉と名付けられた。岩や花,水,雪,溶岩などを思わせるイメージがあらわれ,その後,多くのシュルレアリストたちによって使われ,機関誌《ミノトール》8号にその集大成が発表された。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」