世界大百科事典(旧版)内のdoublestandardの言及
【基本的人権】より
…表現の自由の制限について,その表現行為から重大な害悪が発生する明白で切迫した危険がなければならないという,明白かつ現在の危険clear and present dangerの原則が妥当するとき,あるいは表現の自由を制限する立法は明確な基準によるものでなければ憲法違反だとする明確性の理論が適用されるときも,上に準じた強い保障を受ける。つぎに,言論・出版などの精神活動の自由と職業選択・営業の自由などの経済活動の自由とを区別し,裁判所が人権規制立法の合憲性を審査する際に,審査の基準を分けて考えるべきだという〈二重の基準double standard〉の理論が重要である。表現の自由などには他の人権と異なる優越的な地位が認められ,その制限が必要なときでも,公共の福祉に対する危害の防止に必要な最小限度にとどめなければならないという厳格な基準による審査が加えられるのに反し,経済活動の自由に関しては,経済秩序の維持・増進または福祉政策推進のため,個人の経済活動に対する国の積極的な規制措置を認める必要があり,その措置が明らかに不合理な場合のほかは,裁判所も立法者の裁量を尊重しなければならないのである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」