世界大百科事典(旧版)内のdyophysitismの言及
【キリスト論】より
…このとき,キリストの人性の完全性を否定するアポリナリウスも退けられたが,続いてネストリウスは逆に人性を第一として神性を弱め,あるいはエウテュケスは人性を神性の中に吸収するなど,神性・人性の区別を明らかにしない〈単性論〉が行われた。これを排したのはカルケドン信条(451)の〈両性論dyophysitism〉であって,〈両性は混合せず分離せず〉というのがその表現である。(3)古代教会の信条は本質や本性といった抽象的概念を用いての形式的規定にとどまっていたが,中世のカトリック教会は西方教会の赦罪論を受けて,キリストの位格のみならず,その業(わざ)についての考察を進めた。…
※「dyophysitism」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」