世界大百科事典(旧版)内の《Eṭṭutokai》の言及
【インド文学】より
…【大西 正幸】
[タミル文学]
ドラビダ民族は,インド亜大陸南部に住むインドの先住民族であるが,彼らの主要グループであるタミル人は,紀元初頭にまでさかのぼる文献を豊富に所有しており,それらの資料は古代インド文化を知る上で,サンスクリット文献に次ぐ重要な位置を占めている。後1世紀から3世紀にかけて主要部分が成立した現存最古のタミル文学《エットゥトハイEṭṭutokai(八つの詞華集)》と《パットゥパートゥPattuppāṭṭu(十の詩編)》は,恋愛や戦争をテーマとした抒情詩や王に対する賛歌がおもな内容で,宮廷学士院〈サンガム〉で編纂されたという伝説に基づいてサンガム文学と呼ばれている。サンスクリット文学と比較して,サンガム文学は世俗的性格が強く,短い韻文の形式を好む点に特色がある。…
※「《Eṭṭutokai》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」