世界大百科事典(旧版)内のEarlyEnglishStyleの言及
【イギリス美術】より
…しかしその後のゴシック建築の展開はフランスが主導権を握り,12世紀末にはフランスの工匠ギヨーム・ド・サンスGuillaume de Sensが渡英してカンタベリー大聖堂の新築の指導に当たり,イル・ド・フランスを中心に発達したフランスのゴシック様式を伝えた。12世紀末から13世紀にかけての〈初期イギリス様式Early English Style〉は,大陸での盛期ゴシックに当たり,ウェルズ,リンカン,ソールズベリーなどの大聖堂が生まれた。しかしイギリスでは建築構造そのものに対する関心よりも,壁面,天井,トレーサリー(狭間飾)などの細部の装飾が重視され,14世紀の〈装飾様式Decorated Style〉においては,曲線を多用した装飾が見られ,星状ボールトのようなモティーフも生んだ。…
【ゴシック美術】より
…しかし,これらのフランス様式にならったものでも,イギリス的な特徴を失わない。ロマネスク伝統から独自の発展をしてイギリス・ゴシック様式を生む主流があるからで,このイギリス・ゴシック建築は一般に初期イギリス様式Early English Style(13世紀),装飾様式Decorated Style(13世紀後半~14世紀),垂直様式Perpendicular Style(14世紀後半~15世紀)に分けて,その発展があとづけられる。13世紀初め以来,リンカン,ウェルズ,ソールズベリー,ヨークと代表的なゴシック大聖堂が現れ,なかでもソールズベリー(1220‐58)は初期イギリス様式でよく統一された代表的建築であり,装飾様式の代表的な例としてはリッチフィールド,ヨークの身廊部,エクセターの内陣部があげられる。…
※「EarlyEnglishStyle」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」