世界大百科事典(旧版)内のfiorinod'oroの言及
【紙幣】より
…これらの銀行の信用券は,たんにその受渡しによって鋳貨の受渡しを節約できたという便益のみならず,信用券のほうが現実に流通する鋳貨よりも価値の高い真実の鋳貨(それは現実にはもはや求めがたい場合が少なくなかった)を代表する債権でありうるので,とくにより好みされた。ヨーロッパ諸国の近代的貨幣は1252年創成のフィレンツェのフロリン金貨fiorino d’oroを模範とし,これに準拠して制定されたものが多かったが,当初所定の品位純分を満たして造られた鋳貨も流通中に滅失したり,偽造されたり,のちには政府みずからその実質価値を低くして鋳造することともなり,しかも諸国境を接して内外の鋳貨が混合する状態となれば,取引を行う場合にいかなる貨幣を基礎として評価し支払を行うかをそのつど決定する必要があった。いわんや国を異にする貿易の場合にはなおさらであろう。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」