世界大百科事典(旧版)内のFlandrin,J.L.の言及
【婚姻】より
…夫婦の約束がなされたときが婚姻の開始の時期とされ,非嫡子の準正ということを認めないコモン・ローの原則があったけれども,荘園慣行では,子の嫡出性は夫婦の約束がなされたときを基準として決定され,教会の儀式が法的意味をもったのは,双方が寡婦分の合意をし,教会の戸口で夫が自分の不動産の上に妻への寡婦分を設定したことを宣言する儀式であって,教会内のミサではなかったといわれる。 フランスにおいてもほぼ同様で,17世紀ころのフランス農村社会の婚姻について,1975年,フランドランJean Louis Flandrin(1931‐ )は,《農民の愛》の中で,婚姻の際に考慮されたのは当事者の嫁資の多寡などの身分の同一性,愛情以外の他の要素であった,と次のように描写している。嫁資をもたない娘はいかに美人であっても婚姻することができず,他家に奉公に出るか,修道院に入るかしかなかった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」