世界大百科事典(旧版)内のfolklawの言及
【慣習法】より
…また西欧の学者が非西欧社会の法を見たとき,土着法,未開法,文字以前法,現地法,部族法,法習俗,法慣行などとよんだものも慣習法に属する。ごく最近では,西欧非西欧を問わずおよそ人間社会で国家法とならんで実効的に機能している慣習法を,固有法,非公式法,フォーク・ローfolk lawなどの名で再認識しようとする傾向が出ている。【千葉 正士】
[実定法との関連]
実定法上,慣習法がどのように取り扱われるかは,国によりまた時代により異なっている。…
【法人類学】より
…従来はいわゆる未開社会の法を対象としてきたが,最近は対象を西欧社会にも広げ,法に関する意識,態度,価値観,信念などを広く法文化legal cultureとして研究する動向がみられる。同様に,国家法以外の慣習法,固有法,非公式法unofficial lawなどをフォーク・ローfolk lawとして一括,研究しようとする動向,さらに国家法とこれらフォーク・ローとの同化,緊張の関係を多元的法体制として研究する動きもあらわれている。20世紀初頭に法社会学が,西欧社会にも制定法のほかに実際に機能している〈生ける法〉のあることを発見し,またそれに続いて人類学者が未開社会の固有法などを調査,研究し始めてから,近代西欧が完成した国家法を法のモデルとする法学は相対化されて,その文化的特殊性が認識されるようになった。…
【未開法】より
…〈未開法〉が西欧慣習法と本質的に異なるという論拠はない。このような反省から,1960年代以降は〈未開法〉の代りに〈部族法tribal law〉とか〈現地住民の法native law〉,あるいは〈民俗法folk law〉という呼び方が一般化してきた。 部族社会tribal societyの法は,形式と運用の面で特色があり,西欧諸国の制定法とたしかに差異がある。…
※「folklaw」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」