世界大百科事典(旧版)内のfolktaxonomyの言及
【認識人類学】より
…研究対象の範囲は,当初の動植物など自然物の民俗分類から,さらに色,地勢,人体,空間,時間,食物,天体,方位,霊的存在,儀礼,親族名称,呼称,命名など,社会的,宗教的な存在・事象の民俗分類をも含んだものに拡大されてきた。 民俗分類における論理形式として主要なものには,まず,差異化と包摂関係によって分類される意味配列の一形式としてのフォーク・タクソノミーfolk taxonomyがある。この場合の包摂関係とは,たとえば〈アカマツはマツの一種〉のように,下位範疇が上位範疇に対して〈~の一種〉という関係をもつ。…
【文化人類学】より
…グッドイナフW.Goodenoughを代表とするこの立場の人々は,文化はその担い手の心の中にのみ存在すると考えるところから,民族誌的情報を研究者の先入見的カテゴリーの中に置かずに引き出す方法を考えるのである。民俗分類学folk taxonomyと呼ばれるものがその一つであるが,それにしても一個人の認識の全容を完全に復元することが可能であるとはとうてい考えられない。それにもかかわらず,この方法が,民族誌資料の収集のうえで,従来の方法を補強する有効な手段として大きな価値をもつことは否定できぬであろう。…
※「folktaxonomy」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」